【コロナ禍】不動産業界の倒産リスク|リーマンショックから分析する

新型コロナウイルスの発生・流行によって、世界経済は大きな影響を受けています。日本国内も例外ではなく、新型コロナウイルス関連とみられる経営難や倒産が発生している状況です。

コロナウイルスの影響は、不動産業界にも及んでいます。コロナが与える不動産業界の影響や今後の対策を知ることは、会社を存続させるために重要です。

この記事では、不動産業界における倒産リスクを解説します。コロナ禍を乗り越えて倒産への回避方法として参考にしてください。

1. コロナ禍とリーマンショックの共通点と相違点

経済が大打撃を受けたことは、今回が初めてではありません。2008年9月、リーマン・ブラザーズが経営破綻したことが引き金となり、アメリカにとどまらず世界中の経済活動に大きな影響を及ぼしました。

リーマン・ブラザーズの経営破綻によって生じた影響のことを「リーマンショック」と言います。株価が暴落するなど世界中が金融危機に陥ったことは、記憶にある方も多いでしょう。

今回のコロナ禍による経済的な影響を読み解くためには、前回のリーマンショックを参考にすることが有効です。コロナ禍とリーマンショックにおける共通点と相違点は下記のとおりです。

〈共通点〉
・経済に大きな影響を与えた
・世界的な経済活動を停滞させた
〈相違点〉
・金融市場への影響か、実体経済への影響かどちらかの要素が強いか
・生活様式が変わった

コロナ禍とリーマンショックのおもな共通点は、どちらも世界経済へ大きな影響を及ぼし、経済活動を停滞させたことです。しかし、影響を及ぼした対象が異なります。リーマンショックでは金融市場が打撃を受けた点に対し、コロナ禍では実体経済そのものに影響を及ぼしたと分析されています。

実体経済とは、商品やサービスの製造・販売に対して金銭などを支払う経済活動のことです。日常生活を営むために必要な需要と供給が、コロナの影響によって強制的にストップされたと分析する声もあがっています。コロナウイルスは、企業だけでなく一般家庭にも大きな打撃を与えました。

雇用や生産、消費などにおいては、リーマンショックのほうが大きな影響を及ぼしたとのデータもあります。しかし、人々の感じる不安感はコロナ禍のほうが大きく、人々の生活がもとに戻るまでは長い時間がかかるとも予測されています。

2. コロナ禍以前における不動産業界の倒産

コロナ禍における不動産業界の倒産リスクを予測するためには、リーマンショックが発生する以前と以後の状況を比較することが有効です。それぞれの状況における不動産業界の状態を知り、照らし合わせてみましょう。

ここでは、リーマンショック以前の不動産業界と、リーマンショック以後の不動産業界を解説します。

2-1. リーマンショック以前の不動産業界

日本国内の新設住宅着工戸数は、2006年をピークに減少しました。2007年に改正建築基準法が施工されたことや耐震偽装事件がきっかけとなり、建築確認が厳しく行われるようになったことが原因の1つです。

2006年に人口のピークを迎えたことから、将来的に住宅の供給が過剰になってしまうと判断され、現在も新設住宅着工戸数は落ち込んだままの状態が続いています。また、社会全体で反社会的勢力を排除する動きが強まったことにより、不動産業界においても暴力団排除条例に基づくコンプライアンス対応が徹底されるようになりました。

リーマンショック以前に倒産した不動産会社の実例は、下記のとおりです。

〇倒産事例

アーバンコーポレーション
ゼファー
・法的整理:民事再生法
・負債総額:2,558億円
・反社会的勢力との関与が疑われたことにより、銀行が取引を停止したことによって経営破綻した
・法的整理:民事再生法
・負債総額:949億円
・ゼファーの子会社である近藤産業が自己破産したこと、販売物件の決済を延期したことで、資金繰りが困難となり経営破綻した

2-2. リーマンショック以後の不動産業界

リーマンショックによって、国内でも金融機関から融資を受けることが困難な状況となりました。決算書上では利益が出ているにもかかわらず、現金が用意できないために倒産する黒字倒産も発生した形です。また、2001年に誕生したJ-REIT(不動産信託)法人が、リーマンショックの影響を受けて経営破綻に追い込まれました。

資金調達の失敗により、負債総額1,123億円を抱えて経営破綻したことをきっかけとして、J-REIT法人であっても金融市場の影響を受けることが認識された形です。

リーマンショック以後に倒産した不動産会社の実例は、下記のとおりです。

〇倒産事例

日本綜合地所
ジョイント・コーポレーション
・法的整理:会社更生法
・負債総額:2,142億円
・マンション市場が悪化したことや、リーマンショック後に金融機関の締めつけが厳しくなったことで資金繰りが困難となり経営破綻した
・法的整理:会社更生法
・負債総額:1,680億円(子会社の負債を含む)
・リーマンショックの影響による経済の停滞、資材コストの高騰などによって負債を抱え込んだことにより破綻した

一方、リーマンショックをきっかけとして、不動産業界には大きな再編が起こりました。新しくうまれたものの例は下記のとおりです。

〇新しくうまれたもの

メジャーセブン
リノベーションマンション
住友不動産・大京・東急不動産・東京建物・野村不動産・三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンスの大手7企業が共同運営する新築マンションの情報サイト
リノベーションマンション自体は以前から存在したものの、リーマンショックがきっかけで大きく増加し始めた

3. コロナ禍が与える不動産業界への影響と今後の対策

2020年2月以降のデータから読みとれる情報をもとにして、不動産業界に今後どのような影響が及ぶのかを解説します。また、今後行うべき対策も紹介するため参考にしてください。

〇不動産業界への影響
不動産業界では、コロナ禍の影響を受けて倒産する企業が増え続けています。2020年2月以降における倒産件数の推移は、前年と比較して増加傾向にあり、今後も倒産の危険性が高い状況と言えるでしょう。

東証REIT指数の推移を表すグラフでは、2020年の3月から4月にかけて急激な下落がみられました。その後、5月へ向けて回復の兆しがみられましたが、以降はほぼ横ばいの状態です。コロナ禍以前と比較すると、まだ低い状態のまま推移しています。

両方のデータからわかることは、不動産業界はコロナ禍の影響を受けて倒産に追い込まれるリスクがあることです。リーマンショックの二の舞とならないためにも、対策をして最悪の事態を回避しましょう。

〇対策方法
コロナ禍がもたらす今後の影響に対し、事前に有効な対策をとることができれば、事態の悪化を防ぐことができます。すぐにできる対策は、ITの利用による業務効率の改善を図ることです。

不動産会社に適したITを導入するためには、業界経験が豊富な「株式会社コンシスト」のコンサルタントによるサービスがおすすめです。IT診断から環境構築・運用・保守まで、各企業に適したサポートをトータルで受けることができます。

ITに精通した人材が社内にいない場合でも、プロに相談しながら業務効率の改善を図ることが可能です。

まとめ

今回は、不動産業界における倒産リスクや、今後の対策に関して解説しました。

世界的なパンデミックにより人々の生活は急変し、大きな不安感や危機感を抱きやすい状況が続いています。不動産業界も例外ではなく、リーマンショックと同様の影響が及ぶ可能性があるでしょう。

即座にコロナ禍以前の生活に戻ることはできないものの、リスクを回避するための対策は始めることができます。コンサルタントの意見を参考にするなどして、アフターコロナに備えて適切な対策をとりましょう。

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