コラム

不動産業界の動向を分析!今後の課題や対策を徹底解説

2020年の東京オリンピック開催に向けて、都心を中心にさまざまな施設やビルが建設ラッシュを迎えています。近年、活況に沸く不動産業界ですが、実はいくつかの課題を抱えており、不安な側面もあります。

この記事では、今後の不動産業界における課題やその課題に対する対策を徹底的に解説します。

1. 不動産業界について

不動産業界とは、土地や建物、土地に定着する工作物を取り扱う企業で構成されている業界を指します。
不動産業界の仕事は、開発業務や賃貸業務などいくつかの業務に分かれており、それぞれの業務内容に特化した会社や個人が互いに連携して業務を遂行しています。

不動産業界の繁忙期は、就職や転職、就学などの理由で転居する人が多い11月〜3月です。さらに結婚式が多い6月や10月も、主にファミリー向けの物件に関して入居・転居が多く、繁忙期と言われています。

不動産業界は、土地や建物など取り扱う対象物の金額が大きいため、その市場規模も非常に大きくなっています。
国土交通省が発表した不動産業ビジョン2030によれば、国民資産に占める不動産の割合は20%を超えており、不動産業は豊かな国民生活を支える重要な基幹産業であることが示されています。

1-1. 市場規模

財務省の法人企業統計調査の結果によると、平成29年における不動産業界の市場規模は約43兆円です。
これは、1位の自動車業界や2位の建築業界、3位の医療業界についで4番目に大きな市場規模となります。

不動産業界の売上の推移は年によって差があるものの、過去3年間は上昇傾向にあります。2020年には東京オリンピックが開催されることから、この傾向はさらに続くことが予想されます。

 
売上高
増加率
2015年
39.3兆円
6.5%
2016年
42.9兆円
9.1%
2017年
43.4兆円
1.0%

(出典元:財務省「法人企業統計調査」https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/h29.pdf

1-2. 流通構造と業界内分類

不動産業界は、「開発・建設」「販売」「賃貸」「管理」の4つの分野にわかれています。まず、建設業者が建設した建物を賃貸不動産仲介業者やメーカーに販売します。
次に、メーカーが付加価値をつけて販売し、賃貸不動産仲介業者が一般消費者に販売・賃貸を行います。
ホテルや大型マンション、商業施設などをメンテナンスする管理業も不動産業界のひとつに分類されています。

分野
開発・建設
販売
賃貸
管理
業務内容
建物の開発・建設
開発した建物の販売
開発した建物の賃貸
建物のメンテナンスや清掃
事業者
建設会社・デベロッパーなど
ハウスメーカーなど
不動産仲介業者など
管理会社など

2. 現状と今後の動向

ここ数年間、不動産業界の市場規模は拡大傾向にあり、東京都心部を中心に商業施設やタワーマンションの建設が盛んに行われています。
2020年に開催される東京オリンピックによるオリンピック需要や、東京都心部が国家戦略特区に指定されたことによるオフィスビル需要の影響もあります。
そのため、今後さらなる建設ラッシュが続き、市場規模はますます拡大することが予想されています。

3. 不動産業界が抱える課題

東京オリンピックの開催やアベノミクスの影響により、現在活況が続いている不動産業界ですが、実は多くの課題を抱えています。
不動産業界は景気の動向や社会的な要因に左右されやすいことから、業界の未来を不安視する向きも少なからずあります。
ここでは、不動産業界が抱える課題について具体的に解説します。

3-1. 地価暴落

東京都心部を中心に不動産の建設ラッシュが進んでいますが、2020年に開催される東京オリンピックが終了したのちには、地価暴落が起こる可能性が指摘されています。

現在、都心部に建設中の不動産の多くが投機目的であるため、オリンピック需要の影響によって高騰している不動産が一気に売却されたあとはバブルが弾ける恐れがあります。
その際には、現在参入している多くの外国投資が撤退する可能性があることから、オリンピック後の日本の不動産を不安視する人も少なからず存在します。

3-2. 人口減少

日本の総人口は2008年にピークを迎え、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2030年には1億1,900万人に減少すると予想されています。

都市部に人口が集中する一方で、地方の人口が減少する「人口の2極化」が進んでいます。
さらに、今後は少子高齢化や未婚化が加速することから、全国の世帯数が減少します
それらの影響を受け、都市部を中心に空室や空き家が増加し、新築や中古物件の需要は低くなることが予想されます。

3-3. 2022年問題

現在、税制面の優遇措置のある生産緑地の指定を受け、農業以外の利用が制限されている土地が2022年にその期限を迎えます。
2022年以降は税制の優遇がなくなることから、多くの生産緑地が宅地に転用されることが予想されます。
そのため、土地の供給過剰による地価の下落が起こる確率が高いでしょう。
活況が続いている不動産業界ですが、この2022年問題をきっかけに大きな打撃を受けるのではないか、との懸念が広がっています。

4. 不動産業界に必要な対策

東京オリンピック以後、日本の不動産業界は地価暴落の危険性や2022年問題、さらに人口減少問題といったさまざまな課題に直面することとなります。

今後、不動産業界が持続的な発展を確保するために、これらの課題に対し、できる限り早い時期から対策を立て問題解決に取り組む必要があります。
それでは具体的にどのような対策を立てる必要があるのでしょうか。

ここでは、不動産業界に必要な対策をいくつか紹介します。

4-1. 他業種との連携

現代は、目まぐるしく社会環境が変化しています。
そのため、社会環境の変化に合わせて、消費者のニーズも変化し、同時に多様化しています。

不動産業界が単独でサービスを提供するだけでなく、医療や福祉、運輸や通信などの他業種や行政組織との連携・協業を行いながら、トータルサービスを提供することが求められるでしょう。

たとえば、24時間の見守りサービスや医療・介護サービスを取り入れた総合型高齢者向け住宅の開発などが一例です。
今後は、より幅広いニーズに対応できる体制を整える必要があるといえるでしょう。

4-2. リノベーション

経年劣化により価値が低下した物件の間取りや内装を最初から作り直し、新たな価値を生み出す「リノベーション」に注目が集まっています。
ファミリー向けの物件を単身者用に刷新したり、古くなった事業用の倉庫を最新設備が整ったお洒落な商業施設に改修するなど、アイディア次第でさまざまなリノベーションが可能です。
今後は、人口減少や少子高齢化といった日本が抱える課題の内容に沿った、幅広いリノベーションが求められるでしょう。

4-3. 不動産テックの活用

不動産テックとは、‘不動産×テクノロジー’の略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのことです。人工知能やビッグデータといった先端IT技術を活用する取り組みも不動産テックにあたります。
すでに不動産購入希望者に不動産情報を公開するビッグデータ解析システムへの取り組みや、無店舗運営による手数料の引き下げを実現している不動産会社もあります。
さらに、ブロックチェーン技術を応用した高度な情報管理システムを活用し、顧客に安心や安全を提供する動きも始まっています。
不動産業界は、このようなIT技術やブロックチェーン技術を活用し、時代の流れに対応していく必要があります。

5. まとめ

不動産業界は生活に身近な業界であり、景気動向や社会環境の変化に影響を受けやすい業界といえます。
現在は活気がある不動産業界ですが、2020年の東京オリンピック閉幕後はその勢いが衰退されることも予想されているため、早い段階での対策が求められるでしょう。

今後は、人口減少や少子高齢化といった社会問題の深刻化や、人工知能やIoTといった新しいテクノロジーの発達などにより、取り巻く社会情勢が目まぐるしく変わっていきます。
不動産に対する幅広いニーズに応えて豊かな住環境を提供するためにも、不動産業界は開発、販売、賃貸、管理といった各業態それぞれの役割を果たすことが期待されます。

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