スケルトンパッケージのクラウド版/オンプレミス版をどう選択すれば良いか

1.クラウドかオンプレかの選択

弊社の不動産管理スケルトンパッケージ(以下、スケルトンパッケージ)を検討されているお客様から「クラウド版であれば、月額固定費用でシステムを利用できますよね?」とご質問を頂く事が御座います。
今回は、クラウドとは何か。SaaSとは何か。という言葉の定義から、スケルトンパッケージのクラウド版/オンプレミス版をどう選択すれば良いかをご説明したいと思います。

2.クラウドとは

最近は「クラウド」と4文字だけでは、何を指しているのか分からないという状態になっています。それはクラウドコンピューティング、クラウドサービス、クラウドファンディング、クラウドソーシング、などクラウドで始まる言葉が多数出てきているためです。
一般的に皆さんが共通して持たれるイメージは、インターネットを使った何かだと思いますので、ここではクラウドコンピューティングとクラウドサービスに関してご説明したいと思います。

クラウドコンピューティングとは、不特定多数のユーザーにハードウェアやソフトウェアのリソースを提供することです。クラウドと聞くと「インターネットを使った何か」と想像するのは、不特定多数への提供を実現するために、インターネットが欠かせないものと成っているところからだと思います。一方、対義語としてオンプレミス(通称オンプレ)という言葉がありますが、自社のデータセンターないしサーバー室などにリソースを置き、特定者に対してリソース提供する形態を表します。
クラウドサービスとは、クラウドコンピューティングサービスを略して、クラウドサービスと言っているだけで、クラウドコンピューティングを利用したサービスの事を指します。総務省のWebサイトにそのものズバリの説明がありましたので、詳しくは下記を参照ください。

3.SaaSとは

SaaSについても、前述した総務省のクラウドサービスの説明に有りましたが、少しだけご説明したいと思います。クラウドサービスは大きく3つに分類され、ハードウェアやインフラを提供するIaaS(イアース、Infrastructure as a Service)、データベースやアプリケーションサーバーなどを提供するPaaS(パース、Platform as a Service)、そしてソフトウェアを提供するSaaS(サーズ、Software as a Service)です。

4.システムの提供方法とクラウド

クラウドサービスを3分類するとSaaS/PaaS/IaaSに分かれる事が分かりました。ではスケルトンパッケージのクラウド版とは、どれに分類されるのでしょうか。実はどれにも分類されません。何故なら弊社の製品は、その名の通り「パッケージ」です。その為、パッケージを購入しないと利用できません。しかし、クラウドサービス(IaaS)上で動かす事が出来るため、これをクラウド版と呼んでいます。

クラウドの特徴としては、インターネットに繋がれば何時でもどこでも利用できる点が挙げられます。では、スケルトンパッケージのクラウド版はどうでしょうか。スケルトンパッケージも購入していればいつでもどこでも利用する事が出来ます。ただし、気を付ける点としては、料金体系に大きな違いが有ります。SaaSは使用量に応じた月額モデルが一般的ですが、対してスケルトンパッケージは、パッケージ費用+保守費用(クラウド利用料+サポート費用)という体系となります。
ここでは、パッケージ製品でもクラウドサービスと同様にご利用頂ける事を認識頂けたかと思います。

クラウドをご検討されるお客様の中には、セキュリティについて心配される方も多い為、最後にクラウドとオンプレのセキュリティ要件を考えてみたいと思います。

5.クラウド版によるセキュリティ対策

クラウド版のセキュリティについて、スケルトンパッケージは4つの対策が取られています。

  • 1.クライアント証明書による、通信レベルでの制限
    スケルトンパッケージを利用する為には、クライアント証明書が必ず必要となります。その為、万が一、悪意を持ってデータを抽出しようとしても、証明書のインストールされていないPCからはアクセスする事すら出来ません。
  • 2.ID/PWによる認証
    こちらは一般的ですが、ID/PWによる認証を必要とします。また、ActiveDirectory※1を利用した認証も可能です。
  • 3.IPアドレスによる制限
    特定の場所からのアクセスに限定するなどの設定が出来る為、社内からのみという制限を入れる事も可能です。
  • 4.通信経路の暗号化
    通信経路をHTTPSにする事で盗聴を防止します。

上記4つの施策を取ることで、セキュリティを高めています。
クラウドを利用する際でも、セキュリティについて色々な対策が考えられている事がお分かり頂けたかと思います。一方、オンプレを希望されるお客様には次の様なケースが多くみられます。

  • 1.自社にデータセンターやサーバー室が有り、保守できる要員・環境が整っている。
  • 2.クラウド上にデータを保存する事が会社の規定で禁止されている。
  • 3.クラウド上で情報漏洩するリスクがオンプレより高いと感じている。

では、上記の理由からオンプレ版を選択するのはベストなのでしょうか。1つずつ説明致します。

  • 1.自社にデータセンターやサーバー室が有り、保守できる要員・環境が整っている場合
    自社にデータセンターや要員が揃っている場合に関しては、費用構造がどうなっているかがポイントとなります。他にも複数システムを保守しており環境や保守要員費用が十分に確保できているのであれば、オンプレの方が安くなる場合があります。ただし、留意点としては、電源の2重化やバックアップ機器の用意、障害時の復旧手順など、色々準備しておかなければ成らない事は忘れないようにして下さい。
  • 2.クラウド上にデータを保存する事が会社の規定で禁止されている。
    会社の規約で禁止されている場合に関しては、会社の規約なので、ベストかどうか判断するものではありませんので、答えは無いでしょう。
  • 3.クラウド上で情報漏洩するリスクがオンプレより高いと感じている。
    漏洩するリスクに関しては、クラウドでもオンプレでも100%安全というものは絶対に無いため、人の判断となります。例えば、弊社も他社のIaaSを利用しており、そのIaaS事業者から漏洩するリスクがゼロでは有りません。逆にオンプレの場合でも自社の社員または出入り業者が漏洩させるリスクがゼロとは限りません。

以上の事からスケルトンパッケージは、クラウド版・オンプレ版どちらもお客様に合わせて提供できる形態になっています。どちらを選択するかお悩みの場合は、まずは弊社にご相談下さい。

まとめ

  • ・クラウドサービスとは、誰にでも・いつでもどこでも・利用できるサービスのことです。
  • ・スケルトンパッケージはIaaS環境で動かす事が出来るため、パッケージではあるもののいつでもどこでも利用できます。
  • ・クラウドかオンプレ、どちらが適しているかは利用者によるため、単純にどちらが良いというものではありません。直接のコスト及び保守要員・環境に必要な間接コスト・リスクを考慮して、総合的な判断をお薦めします。

※1 Active Directory…ユーザー(ID)とコンピュータ及びそのグループ(ドメイン)を統合管理できるマイクロソフト社のソフトウェア。これにより、会社及びグループ会社の社員及びPCのセキュリティ・権限の一元管理が可能。

⇒ 賃貸管理システム「不動産管理スケルトンパッケージ」についてはこちら

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